「編み物のサイズや形がおかしい…」と感じたとき、役立つのがゲージです。
ゲージとは、特定の糸と針を使用して編んだスワッチの、目と段の数のこと。
このゲージを使えば、作りたい編み物の形やサイズに合わせて、編み目の密度を測ることができます。
この記事では、編み物におけるゲージとは何なのか、その種類やサイズ、そして正確な測り方を解説します。
うまく活用して、思い通りの編み物を実現しましょう。
読みたいところからどうぞ!
編み物におけるゲージとは
編み物におけるゲージとは、10cm四方の範囲で何目、何段編めるかを示す数値のことを指します。
このゲージは、編み物のサイズや形状を正確に作るための目安として使われます。
ゲージは糸の太さや針の大きさ、編む人の編み方によって変わるものです。
例えば、同じ糸でも針の大きさが違うと、編み目の大きさが変わります。
また、編む人によって力の入れ方も違うため、ゲージにも差が出ます。
そのため、編み物を始める前には必ずゲージを確認し、自らに合う糸や針、編み方を調整しましょう。
ニット製品にもゲージが使われる
ニット製品の製造にも、ゲージという単位が使われます。
ニット製品は、編み物技術を用いて作られる織物の一種です。
例えば、セーター、カーディガン、ミトン、帽子、スカーフなどが挙げられます。
このニット製品のゲージは、編み針の密度を表す単位です。
主に、1インチ(約2.54cm)の間に何本の編み針があるかを示します。
ゲージの数値 | 針の密度 | 編み目 |
---|---|---|
大きい | 高い | 細かい |
小さい | 低い | 荒い |
例えば、5Gは低密度で荒い編み目、12Gは高密度で細かい編み目となります。
以下に、主なニットゲージの種類とサイズを一覧表にまとめました。
ゲージの種類 | ゲージのサイズ |
---|---|
ローゲージ | 1.5, 3, 5 |
ミドルゲージ | 5~10 |
ハイゲージ | 12, 14, 16, 18, 20 |
例えば、暖かみのある厚手のセーターを探しているなら、ローゲージニットを選ぶと良いでしょう。
逆に、薄手で滑らかな仕上がりのセーターを求めているなら、ハイゲージニットが適しています。
ニット製品を探す場合にゲージを意識することで、求める質感や厚みの製品を選びやすくなります。
ゲージを調べるためにスワッチを作ろう
スワッチとは、事前に作成する小さな試験的な作品のことです。
ゲージを測るためにも作られ、編み物や手芸で使用する糸や布の特性を確かめるのに役立ちます。
通常、編み物であれば特定の編み方で、縦横一定の大きさのスワッチを編みます。
このスワッチを使って、ゲージが合っているかどうかを確認することで、正確なサイズで仕上げられます。
ステップで解説:ゲージの測り方
ここまで触れたように、編み物を始める前に、まずは「ゲージ」で編み目の大きさを確認することが大切です。
では、ゲージを編んで測るところまでの手順を、以下の3つに分けて紹介します。
- 縦横10cmの見本を作る
- アイロンをかける
- ゲージを測る
- ゲージ数の計算
縦横10cmの見本(スワッチ)を作る
まず、作品のサイズを正確にするためには、「スワッチ」と呼ばれる見本を作ります。
スワッチの作り方は、簡単です。
まず、作品を作るのと同じ毛糸と針を用意します。
そして、縦横10cmの見本を編みます。
このとき、いきなり編み始めるのではなく、まずは少し大きめに編んでみましょう。
実際、編み地の端は中央と比較して伸縮性に違いが出やすいです。
そのため、ゲージを正確に測るためには中央部分を測るほうがきれいになるからです。
この見本を作ることで、編み目の大きさや編み方の癖も知ることができます。
アイロンをかける
縦横10cmのスワッチが完成したら、次に行うのがアイロンをかける作業です。
アイロンをかける際には、編み地から3〜4mm離して軽くなでるようにかけます。
この際、編み地を伸ばして当てるのは絶対に避けてください。
編み地を伸ばしすぎてしまうと、ゲージが正確に測れなくなってしまいます。
また、アイロンは直接当てられないため、スチームが出るタイプを使いましょう。
もしない場合には、少し湿らせたタオルや布を一枚、編み地の上にかぶせてからアイロンをかけます。
押し当てないように注意して、少しずつ「そのままの形」を残して成型することが大切です。
ゲージを測る
ここからは、実際にゲージを測ります。
ゲージの測り方は、以下のとおりです。
- 編み目の数を数える
- 横方向の編み目数を記録する
- 縦方向の編み目数を記録する
- 両方向の編み目数を比較する
- 編み目の大きさ(ゲージ)を確認する
- 必要に応じて編み針のサイズを調整する
- 再度見本を作り、ゲージを確認する
- 編み目の大きさが目標と一致するまで調整を繰り返す
- 目標のゲージが得られたら、本格的な編み物を始める
まず、アイロンをかけたスワッチの中央部分に定規をあてて、10cmに何目何段あるかを数えます。
次に、その他の部分でも同様にゲージを測ります。
ゲージを測る際には、何回か場所を変えて測ることが大切です。
ゲージ数の計算
例えば、幅40cm、高さ60cmのマフラーを編みたい場合の必要な目数と段数を計算してみましょう。
- スワッチ:並太糸・6号の針で編む
- ゲージ:目数16目、段数24段
- 必要な横(目)の計算:16目(ゲージ)÷10㎝=1.6
- 必要な縦(段)の計算:24段(ゲージ)÷10㎝=2.4
得られた数値に作りたい作品の長さをかければ、必要な目数と段数がわかります。
- 幅40cm:1.6 × 40 = 64目
- 高さ60cm:2.4 × 60 = 144段
あくまでも例で大体の目安ですが、編み物のゴールが見えるはずです!
【補足】季節別・おすすめのゲージ
ニット製品の風合いや暖かさを決定づける「ゲージ」。
おさらいすると、糸の太さや編み方によってゲージは変化し、見た目や質感なども影響を受けるものです。
ゲージが大きいハイゲージは細い糸を密に編んでおり、見た目もきれいで薄手の素材が特徴。
逆に、ゲージが小さいローゲージは太い糸をゆったり編んでいるため、暖かさとカジュアルな雰囲気が魅力です。
それでは、季節ごとのおすすめのニットゲージを見ていきましょう。
- 春・夏はミドル・ハイゲージがおすすめ
- 秋・冬はローゲージがおすすめ
春・夏はミドル・ハイゲージがおすすめ
春や夏の季節には、軽やかで通気性の良いニットが適しています。
そのため、春夏向けのニットにはミドルゲージやハイゲージで編むのがおすすめです。
ミドルゲージのニットは、程よくざっくり感があり、さりげないオシャレを楽しめます。
特に3〜4月や10〜11月、気温15度前後の時期に着用するのが目安です。
一方、ハイゲージのニットは、長袖Tシャツのようにサラリとした着心地が特徴です。
3〜5月や9〜11月、気温20度前後の時期に着用するのが適しています。
また、春夏向けのニットは、素材にもこだわりたいところ。
綿やリネン、レーヨンなどの素材であれば、通気性に優れて快適に過ごすことができます。
秋・冬はローゲージがおすすめ
秋や冬の季節には、暖かさを求めるため、分厚くて保温性に優れたニットが適しています。
そのため、秋冬向けのニットにはローゲージで編むのがおすすめです。
ローゲージのニットは、編み目が大きく、分厚い生地感が特徴です。
寒い季節でも暖かさを保つことができ、特にウールやアクリルなどの素材が役立ちます。
ウールは、湿度を調節するため、汗をかいてもムレにくく、快適に過ごすことができます。
また、アクリルは、軽くて丈夫な素材で、洗濯にも強いです。
まとめ:ゲージを測るために10cm四方の見本から作ろう!
ゲージは、一般的には編み物の編み目の大きさを示し、10cm四方の大きさを基準にします。
そして、ゲージは糸の太さ、針の大きさ、そして編む人の編み方によって変わります。
10cm四方の見本を作り、アイロンをかけた上で測ると、正確なゲージを確かめられます。
また、ゲージは季節によっても変わり、春夏にはミドル・ハイゲージが、秋冬にはローゲージがおすすめです。
目的の編み物を実現するためにも、10cm四方の見本となるゲージ(スワッチ)の作成をぜひ試してみてください。
ゲージに関するFAQ
ゲージ数が変わると何が変わる?
ゲージ数が変わると、ニットの見た目や暖かさが変わります。
項目 | 高い(ハイゲージ) | 低い(ローゲージ) |
---|---|---|
編み目 | 細かく密 | 粗くざっくり |
表面の印象 | 滑らかで上品 | 凹凸感、ナチュラル |
素材の厚さ | 薄手 | 厚手 |
適した季節 | 春、夏 | 秋、冬 |
どのシーズンに着用するか、どのスタイルを目指すかを考慮しましょう!
かぎ針編みでゲージが合わないときは?
かぎ針編みでゲージが合わない主な原因は、以下の3つです。
- 使用する糸の太さ
- かぎ針のサイズ
- 個人の編み方の癖
しかし、目数と段数を厳密に合わせるのは実際には難しく、特に初心者にとってはさらに難易度が高いです。
そのため、横(目)の数に合わせるようにしましょう。
目数が合っていれば、大体の形にはなるからです。
また、段数が合わない場合でも、必要な長さになるまで編み続けることで調整できます。