編み物をやっていると端がくるくると巻き上がり、自分の技術力が足りていないせいだと思ったことはありませんか。実は、編み物の端が丸まってしまうのは上級者でもよくあることです。
本来の編み目はその性質上、どうしても端が丸まってしまいやすくなっています。むしろ、編むのが上手ければうまいほど自然とくるくるになるため、美しく仕上げるためのコツを把握しておきましょう。
本記事では、編み物が巻き上がってしまう理由と対処法について解説します。編み物の端の巻き上がりに悩んでいる方、より美しい仕上がりを目指したい方は、ぜひ最後までご一読ください。
初心者から上級者まで
一目惚れしちゃう毛糸が見つかる
「編み方がわからない」「どんな作品を作ろうか迷っている」そんな方はお得なキットがおすすめです。(わかりやすい動画解説付き!)
その他にも人気作家との可愛いコラボキットや素敵な毛糸など毎月新作を出しているのでぜひチェックしてください。
読みたいところからどうぞ!
編み物の端がくるくるなるのはよくあること
編み物の端が丸まってしまう現象は、誰もが一度は経験すると言えるほどよくあることです。初心者だろうが上級者だろうが関係ありません。
特に以下の2つに当てはまると、端がくるくると丸まりやすい傾向にあります。
- かぎ針編みの細編み
- 棒針編みのメリヤス編み
端が巻き上がりやすいのがかぎ針編みの細編みで、端が内側に丸まりやすいのが棒針編みのメリヤス編みです。いずれも、編み方の特性によるもので、決して編み手の技術が未熟だということではありません。
むしろ、きれいに編めているからこそ、編み地本来の性質が顕著に表れているとも言えます。
かぎ針編みの細編み
かぎ針編みの基本となる細編みは、編み目が詰まって丈夫な編み地を作り出せる反面、端が巻き上がりやすい特徴があります。細編みの構造上、表側と裏側で編み目の密度に差が起きるためです。
表側の編み目が裏側よりも詰まった状態になることで、自然と端が表側に向かって巻き上がろうとするわけですね。また、編み方が上手くなればなるほど、かぎ針編みの細編みは端がくるくるになります。
棒針編みのメリヤス編み
メリヤス編みは、棒針編みの基本中の基本でありながら、もっとも端が丸まりやすい編み方の1つです。表編みと裏編みを交互に編むことで生まれる、独特の伸縮性が端を内側に巻き込む原因となるからです。
セーターやマフラーなどの作品で、端が自然と丸まってしまうのは、このメリヤス編みの特性によるものです。上級者でも避けられない、メリヤス編み特有の悩みと言えるでしょう。
編み物の端が丸まってしまう原因
編み物の端が丸まってしまう現象は誰もが直面する課題で、特に初心者の方は「自分の技術が未熟だから」と悩みやすいです。編み物の端がくるくる丸まってしまう原因には、主に以下の2つがあります。
- 編み地そのものの特性による自然な現象
- 編み目の強さや緩さのバランスの問題
編み地の特性上の問題
編み物は、毛糸をループ状に何重にも編み上げますが、このループ構造そのものが編み地を丸めてしまう原因です。特にメリヤス編みと細編みは、この特性が良く出てしまいます。
端が丸まってしまうのは編み物の構造上避けられません。熟練した編み手でも完全に防ぐことはできないでしょう。そのため、「編み物は丸まるものだ」と考えた方が、端がくるくるなってしまってもすぐ対処できます。
編み目はキツくても緩くてもダメ
適度な力加減で編めるようになれば、端の丸まりは最小限に抑えられます。編み目はキツすぎると丸まりやすくなり、緩すぎると形が整いません。
理想的な編み目の強さは、以下の要素で決まります。
- 編み針がスムーズに通る程度の余裕がある
- ループの高さが均一である
特に、作品の端にあたる部分は、丸まってしまいやすいため注意しましょう。また、編み進める際は、以下の点に気を付けることで極端な丸まりが防げ、作品の完成度を高められるでしょう。
編み物がくるくるなるときの対処法
編み物は上手く編める人ほど丸まってしまいやすいため、くるくるなった時の効果的な対処法を知っておくと便利です。状況に応じて以下の4つの方法を試してみてください。
- アイロンで優しく形を整える
- 編み方を工夫する
- ふち編みで端を補強する
- 大きな作品はパーツを分割して編む
アイロンで優しく形を整える
くるくると丸まってしまった編み物を直すのに、一番簡単で効果的なのがアイロンがけです。上手くあてるコツとしては「押さえつけない」ことを意識しましょう。
スチームアイロンのあて方のコツとポイントは以下のとおりです。
- アイロンは編み目から3〜5cm離して使う
- 蒸気だけをあてる(アイロンで伸ばさない)
- 糸が張っている部分だけを優しくほぐす
また、アイロンを直接あてる場合は必ず毛糸のラベルで耐熱温度を確認し、あて布をしましょう。アクリル素材など熱に弱い毛糸を使う場合は、アイロンの代わりに霧吹きで軽く湿らせてからドライヤーの温風をあてる方法でもかまいません。
編み方を工夫する
編み目は編み方にひと捻り加えるだけで、くるくる丸まる現象を最小限に抑えることができます。例えば、細編みにはすじ編みを取り入れることで編み地に適度な張りが生まれ、丸まりにくい形になります。
また、同じ編み方でも、糸の張り加減を意識的に調整すれば編み地の丸まりを抑えられることも。編み目がキツくなっていれば緩める、緩ければ締めるというように全体のバランスを見ながら調整しましょう。
ふち編みで端を補強する
ふち編みは、特に丸まりが出やすい端の部分にすれば、編み地の丸まりを効果的に防いでくれます。かぎ針編みには縁かがりや細編みを2段以上重ねるなどの方法が効果的です。
ふちを編む際は、編み地本体よりもやや緩めに編めば自然な仕上がりになります。種類によって見た目の印象が大きく変わるふち編みは、編み物において単なる装飾以上の重要な役割を果たします。
大きな作品はパーツを分割して編む
大きな作品を一度に編もうとすると、作品自体の重みで歪みが生じ、編み進めるうちに端がどんどん丸まりやすくなります。そこで、おすすめなのが作品をいくつかのパーツにわけて編む方法です。
例えば、セーターを編む場合、前身頃と後ろ身頃を別々に編んで後から縫い合わせます。各パーツの重みが分散され、編み地の歪みや丸まりを最小限に抑えられるでしょう。
また、パーツごとに編めば、その都度、修正や形の調整ができるというメリットもありますよ。
まとめ
編み物の端がくるくる丸まるのは、編み手の技術とは無関係の自然な現象です。完全に丸まりを無くすことは難しく、むしろ、丁寧に編めば編むほど、編み地本来の性質が表れやすくなります。
編み物がくるくるなる現象について、効果的な対処法は以下の5つになります。状況に応じて使い分けることで、作品はより美しく仕上がるでしょう。
- スチームアイロンで優しく形を整える(当て布を忘れずに)
- 細編みにはすじ編みを取り入れる
- 編み目の状態に応じて力加減を調整する
- 縁かがりや細編みを2段以上重ねるなどの方法でふち編みを施す
- 大きな作品はいくつかのパーツにわけて編む
編み物を楽しむ上で大切なのは、完璧を求めすぎないことです。端が少し丸まったとしても、それは手編みならではの「味」です。作品の個性の一つとして受け入れてみてはいかがでしょうか。
編みたい作品がきっと見つかる
手編みのお店 [hus:]
hus(フース)はこれまで、暮らしの余白にぴったり馴染む作品を、20名以上の人気作家さんたちと100個以上作ってきました。
ぜひhusでお気に入りの作品・作家さんを探してみてくださいね。