「編み物は女性の趣味でしょ?」「男がやったら変に思われないかな?」「そもそも難しそうで手が出せない」とお考えではないでしょうか。編み物は、SNSでも話題に取り上げられ、今では男性でもぜひ挑戦してほしい趣味となっています。
この記事では、男性の編み物初心者に向けて、歴史から道具の選び方、基本テクニック、おすすめの作品まで幅広く解説します。「編み物に興味はあるけど、どこから始めればいいかわからない」「男性でも楽しめる編み物の世界を知りたい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
読みたいところからどうぞ!
男性も編み物を趣味に楽しんでいる?増えている背景
編み物といえば女性の趣味、というイメージがありませんか?でも、最近は若い男性を中心に、SNSの影響力によって編み物が世界的なブームになっています。
SNSで男女問わず浸透
TikTokやInstagramで、おしゃれなセーターやバッグを編む動画が人気を集め、多くの若者が興味を持ち始めました。「かわいい!」「私も編み物ができたらいいな」といった反応が広がり、編み物の魅力が多くの人に知られるきっかけになったのです。
さらに、2020年の東京オリンピックでは、イギリスのトーマス・デーリー選手が注目を集めました。競技の合間に編み物をする姿から男性でも楽しめると話題に。その後、自分のニットウェアブランドを立ち上げて大成功を収めています。
コロナ禍の外出自粛が後押しとなる
コロナ禍での外出自粛も、家で気軽に楽しめる趣味として編み物人気に拍車をかけました。手軽に始められて、自分の創造性を発揮できる編み物は、ストレス解消や自己表現の手段として、性別関係なく多くの人に受け入れられています。
知ってる?男性と編み物の歴史
一般的に編み物は女性の仕事や趣味というイメージが強いですが、歴史をひもとくと、男性も重要な役割を果たしてきたことがわかります。気になったので、少し調べてみました!
諸説ありますが、どうやら日本の江戸時代末期には、砲弾などを扱う際に使う軍手のような編み物が、奉公に出ていた武士の内職として行われていたそうです。また、漁師の世界でも網や漁具の修理、製作には編み物は重要な技術で、主に男性が担当していたとも言われています。
ただ、本当に存在するのかが気になりますよね。そこで男性の編み物作家が本当に実在するのかも調べてみました。
※参考:週末ナチュラリストブログ(https://radio.rcc.jp/naturalist-blog/2023/02/04/)
男性の編み物作家
広瀬光治さんは、「ニット界のプリンス」として知られる男性編み物作家です。中学生の頃からマフラーや手袋を編み始め、高校時代には自分の修学旅行用にセーターを作るほどの腕前でした。
水産会社勤務の傍ら、霞ヶ丘技芸学院で本格的に編み物を学び、その後日本ヴォーグ社で活躍。1993年にNHK「おしゃれ工房」でテレビデビューを果たし、現在は編み物の楽しさを広めるため、テレビ出演や本の執筆、講演活動を精力的に行っています。
※参考:システムブレーン(https://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-5267.htm)
ベルンド・ケストラーさんも、ドイツ出身の男性ニット作家です。10代の頃、お姉さんが編んでくれていたセーターがボーイフレンドに取られてしまったことをきっかけに、自分で編み物を始めました。
1998年に来日し、現在は横浜在住。バイク好きという一面も持ちながら、編み物教室の講師としても活躍しています。2012年には東日本大震災の被災地支援として「Knit for Japan」を立ち上げ、476平方メートルものブランケットを作るプロジェクトでギネス記録を達成しています。
※参考:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000009728.html)
男性が編み物の道具を選ぶ際に見ておきたい3つのポイント
いざスタートしようと思っても、従来の女性向けのデザインに抵抗を感じる方も多いでしょう。そこで、男性が編み物を楽しむための道具選びのポイントを3つ紹介します。
- 編み針
- 毛糸・材質
- その他
編み針
男性が編み針を選ぶときは、やや太めのサイズ、丈夫な素材、落ち着いた色を意識すると、使いやすく男性らしい編み針が見つかります。男性の手は女性より大きいことが多いため、やや太めの編み針を選ぶと扱いやすくなります。
初心者の方には、こんなサイズがおすすめです。
- 棒針:8号〜10号(4mm〜6mm)
- 輪針:7号〜9号(4.5mm〜5.5mm)
素材は、金属製やカーボンファイバー製が男性向きです。デザインは、モノトーンやダークカラーを選ぶと、より男性らしい雰囲気が出ます。
毛糸・材質
編み物を楽しむなら、太めの毛糸が男性向けに適しています。なぜかというと、男性の体格に合った編み物を作りやすいからです。また、編み目が大きくなるので、初心者でも比較的早く作品を仕上げられるんですよ。
- 極太(7番手〜8番手)
- 並太(5番手)
などの太さは、セーターやマフラー、帽子などの男性向けアイテムを編むのに最適です。
色味は、ネイビー、グレー、ブラック、ブラウンなどの落ち着いた色調が男性らしい印象を与えます。杢調(もくちょう)の毛糸も、深みのある色合いで男性的な雰囲気が出せますよ。
材質面では、ウール100%やウールとアクリルの混紡など、丈夫で暖かみのあるものが男性向けの編み物に適しています。特に、メリノウールやアルパカなどの高級素材を使った毛糸は、上質な仕上がりになるので、大人の男性の趣味としての編み物にぴったりです。
その他
編み物を楽しむなら、男性でも裁縫セットは必須アイテムです!男性向けには、シンプルで機能的なデザインがおすすめ。黒や濃紺のケースに収納された、ステンレス製の道具セットなどが適しています。
- カウンターリング
- 大きめの裁縫バサミ
- チャートキーパー
などの用品もそろえておくと安心です!
基本の編み方で男性が気をつけたい4つの注意点
ここでは、男性が編み物を始める際に特に気をつけたい4つのポイントを紹介します。
- 力加減に注意する
- 編み図の基本を学ぶ
- 編み針と糸の太さを合わせる
- 手首と肩のリラックスを意識する
力加減に注意する
まず、男性が編み物を始めるときに一番気をつけたいのが力加減です。特に、普段から力仕事をしている方や筋トレを日課にしている方は要注意ですよ。
編み物は繊細な作業なので、力を入れすぎると編み目が詰まりすぎたり、逆に緩すぎたりしてしまいます。適切な力加減を見つけるコツは、まず軽く力を入れた状態から始めて、徐々に調整していくことです。
編み目の大きさが均一になるよう、常に意識しながら編んでいきましょう。また、編み進めるにつれて力加減が変わることもあるので、定期的に編み地を確認することも大切です。
編み図の基本を学ぶ
編み図は、編み物のデザインや構造を目で見てわかるように表したものなので、理解することで表現の幅が大きく広がります。
男性は、まず編み図の基本的な記号を覚えましょう。例えば、「○」は表編み、「●」は裏編みを表すことが多いです。この記号を組み合わせることで、さまざまな模様や立体的な形を表現できます。
また、編み図を読む際は、通常右下から左上に向かって読んでいきます。実際に編む順序と一致していて、慣れないうちは少し戸惑うかもしれませんが、練習を重ねることで自然と読めるようになります。
編み針と糸の太さを合わせる
みなさん、編み物を始める際に忘れてはならないのが、編み針と糸の太さを適切に合わせることです。この組み合わせは、作品の仕上がりに大きな影響を与えます。
編み針と糸の太さが合っていないと、編み目が大きくなりすぎたり、逆に小さく詰まりすぎたりしてしまいます。
組み合わせ | 結果 |
---|---|
太い糸 + 細い針 | 編み目が詰まりすぎて硬い仕上がり |
細い糸 + 太い針 | 編み目が大きくなりすぎてすかすかの仕上がり |
適切な組み合わせを見つけるには、まず使う糸のラベルを確認しましょう。多くの場合、推奨される針の太さが記載されています。また、試し編みをして、編み地の風合いや密度を確認することも大切です。
手首と肩のリラックスを意識する
編み物を始めると意外と疲れを感じるのが手首と肩です。特に男性は力仕事に慣れている方や、デスクワークが多い方は、知らず知らずのうちに力が入りすぎてしまいやすいです。
手首と肩の緊張は、編み目の均一性を崩すだけでなく、長時間の編み物を楽しむ上での障害にもなります。また、力を入れすぎると肩こりや腱鞘炎などの原因にもなりかねません。
リラックスした状態で編むためには、まず正しい姿勢を意識しましょう。背筋を伸ばし、肩の力を抜いた状態で座ります。手首は自然な角度を保ち、過度に曲げたり伸ばしたりしないようにしてくださいね。
男性の編み物初心者におすすめの作品3選
男性の編み物初心者の方にも、楽しく取り組める作品があります。ここでは、初心者の男性におすすめの編み物作品を3つ紹介します。この作品は、比較的簡単に作れるうえ、実用的で男性らしさも演出できる素敵なアイテムです。
- ネックウォーマー
- 帽子
- コースター
ネックウォーマー
編み物を始めたい男性の方に、ぴったりの作品がネックウォーマーです。形がシンプルな筒状で、複雑な編み方は必要ないので、基本的な編み方を覚えたばかりの方でも挑戦しやすいです。
ネックウォーマーの魅力は実用性と男らしさ。寒い時期に首元を暖かく守ってくれるだけでなく、すっきりとしたデザインで男性らしい印象を与えられます。サイズ調整も比較的簡単なので、失敗の心配も少ないですよ。
関連記事:簡単なネックウォーマーの編み方/作り方|毛糸を変えてデザインも楽しもう
帽子
ネックウォーマーの次におすすめなのが帽子です。基本的な編み方で作れる簡単なデザインから始められ、少しずつ技術を上げながら複雑な模様に挑戦できるのが魅力です。
男性向けの帽子で人気が高いのは、ビーニーやワッチキャップと呼ばれるニット帽。頭にフィットする筒状の形で、編み方も比較的簡単です。初めての方は、まずは基本的な表編みや裏編みを使った単色のデザインから始めるのがいいでしょう。
関連記事:初心者でも簡単な帽子・ハットの編み方とは?編み方や準備するものを解説
コースター
男性の編み物初心者にぴったりな小物作品なら、コースターです。サイズが小さく、短時間で完成するため、編み物の基本技術を効率よく身につけられます。
コースター作りの良いところは、いろいろな編み方や模様を試せること。シンプルな円形や四角形から始めて、慣れてきたら花や動物などの形を取り入れることもできます。また、コースターは贈り物としても喜ばれる作品ですよ。
関連記事:コースターの人気の編み図8選!かぎ針で簡単に編んでみよう
男性が編み物を楽しむ4つのコツ
男性が編み物を楽しむコツは、以下の4つです!
- オンライン動画や書籍を活用
- 男性向けの編み物コミュニティを活用
- 男性向けの編み物教室に通う
- 自分のペースで楽しむ
オンライン動画や書籍を活用
編み物を始めたいけど周りの目が気になる男性は、オンライン動画や書籍を使ってみてはいかがでしょうか。自宅で自分のペースで学べるほか、最近では若い男性による編み物のTikTok動画も人気です。
こういった動画を見ると、男性が編み物を楽しむイメージをはっきりと思い浮かべられるはずです。また、本でも基本から応用まで、順を追って学ぶことができます。
男性向けの編み物コミュニティを活用
編み物を楽しむ男性が増えている今、男性向けの編み物コミュニティも増えてきています。こういったコミュニティに参加すると、同じ趣味を持つ仲間と出会えて、情報交換したり励まし合ったりできます。
- 男性ならではの悩みや工夫を共有できる
- お互いの作品を評価し合える
など、同じ趣味を持つ仲間との交流を通じて、編み物をより楽しく、長く続けるためのサポートとしても魅力的です。
男性向けの編み物教室に通う
最近では、男性向けの編み物教室や手芸教室も開かれるようになってきました。こういった教室に通えば、専門家の指導を受けながら、同じ興味を持つ仲間と一緒に学べます。
- 男性の手の大きさや力加減に合わせた指導が受けられる
- 男性に人気の作品作りに挑戦できる
などの特徴があるほか、教室に通うことで定期的に編み物に取り組む習慣が身につき、技術の向上にもつながります。
まとめ
編み物は、もはや性別を問わない魅力的な趣味となっています。ネックウォーマー、帽子、コースターなど、初心者でも挑戦しやすい作品から始め、徐々に技術を磨いていくことで、編み物の奥深さを体感できるでしょう。
性別にとらわれず、自分らしい表現方法として編み物を楽しんでみませんか?きっと、新たな自分の一面を発見し、豊かな創造の世界へと踏み出すことができるはずです。編み物を通じて、より充実した趣味の時間を過ごし、自己表現の幅を広げていってください。