毛糸にスチームアイロンはどう使う?メリットとポイントも解説

「毛糸の素材によって温度設定を間違えてしまったらどうしよう」「スチームの量は多い方がいいの?」など、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。実際、アイロンの使い方を誤ると、せっかくの作品が縮んでしまったり、型崩れを起こしたりする可能性があります。

この記事では、毛糸の編み物作品にスチームアイロンを使用する際の正しい方法と、素材別のポイントを詳しく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、作品づくりに活かしていただければと思います。

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毛糸にスチームアイロンをかける3つのメリット

毛糸にスチームアイロンをかけるメリットは、以下の3つです。

  1. 編み目が整って見た目が美しくなる
  2. 素材本来の風合いが引き出される
  3. 形が整いやすくなる

編み目が整って見た目が美しくなる

スチームアイロンをかけることで、編み目の凹凸を整えることができます。蒸気の力で繊維が柔らかくなり、適度な張力を与えることで、編み目が均一に整うからです。

手編みの作品は、編み手の力加減や編み方によって、どうしても編み目にムラが出てしまいます。スチームアイロンなら、表面のごわつきも軽減され、市販のニット製品のような滑らかな仕上がりになります。

素材本来の風合いが引き出される

毛糸には、ウールやアクリル、綿などさまざまな素材があり、それぞれに特徴的な風合いがあります。編み上がった直後は、その素材本来の良さが十分に引き出されていない状態です。

スチームアイロンの蒸気が繊維に浸透することで、ウールであれば、スチームによってふんわりとした弾力性と光沢が生まれ、アクリルは適度なハリとコシが出ます。混紡素材の場合は、それぞれの繊維の特性がバランスよく引き出され、より上質な風合いを実現できるでしょう。

形が整いやすくなる

手編みの作品は、編み上がった状態では必ずしも理想的な形になっているとは限りません。特に袖や襟、裾などの端部分は歪みやすく、左右対称にならないこともよくあります。

スチームアイロンを使えば、こうした気になる形の歪みを修正できます。寸法を確認しながら、必要に応じてピンで固定することで、意図した通りの形に仕上げることができるでしょう。

毛糸にスチームアイロンを使う方法

毛糸にスチームアイロンを使う基本的な手順は、以下のとおりです。

  1. 編み物作品を平らな面に広げる
  2. あて布を用意する(薄手の綿布が最適)
  3. 温度設定を素材に合わせて調整する
  4. あて布を編み物の上に置く
  5. スチームを軽く噴射しながら、アイロンをゆっくり動かす
  6. 完全に乾くまで自然乾燥させる

スチームアイロンをかける際は、アイロンを強く押し付けず、浮かせ気味に動かします。スチームは多すぎると編み目が伸びてしまう可能性があるため、控えめにしましょう。

なお、急いで乾かそうとして、ドライヤーなどを使用するのは禁物です。また、初めての方は、目立たない部分で試してから本番に臨むことをおすすめします。

【素材別】スチームアイロンのかけ方のポイント

毛糸の素材によってスチームアイロンのかけ方は大きく異なります。ここでは、主な素材別のポイントを詳しく解説します。

ウール

ウール素材の毛糸作品にスチームアイロンをかける際のもっとも重要なポイントは、「浮かしがけ」です。アイロンを直接当てると縮絨(しゅくじゅう)が起きて縮んでしまうため、必ず2〜3センチほど浮かせた状態でスチームを当てましょう

温度は中温に設定し、スチームを十分に当てた後は形を整えながら自然乾燥させることで、ウール特有のふんわりとした風合いを保ちながら、きれいな仕上がりを実現できます。

アクリル

アクリル素材の毛糸作品でもっとも注意すべきポイントは、「低温での作業」です。アクリルは熱に弱く、高温のアイロンを当てると溶けたり、艶が出すぎたりして元の風合いが失われてしまいます。

温度は低温に設定し、必ずあて布を使用してください。スチームを当てる時間も短めにし、一度に長時間当て続けることは避けましょう。

綿素材

綿素材の毛糸作品では、「しっかりとしたスチーム量」がポイントです。綿は天然繊維の中でも特に熱に強く、高温のスチームアイロンに耐えられる特徴があります。

温度は高温を目安に設定し、たっぷりとスチームを当てることで、編み目が均一に整い、プロの仕上がりになります。ただし、スチームを当てすぎると水滴が作品に落ちる可能性があるので、適度な量を心がけましょう。

混紡素材

混紡素材の毛糸作品でもっとも大切なのは、「配合率の確認」です。例えば、ウールとアクリルの混紡であれば、より比率の高い素材の特性に合わせてアイロンの温度を設定します。

ただし、安全を考えて低い方の温度設定を選ぶと無難です。配合率を確認して適切な温度設定を行うことで、それぞれの素材の特性を活かしながら、安全にアイロンがけを行うことができます。

毛糸にスチームアイロンを使うときの5つの注意点

毛糸の編み物にスチームアイロンをかける際は、以下の5つのポイントに特に注意を払う必要があります。

  1. 温度設定は必ず確認する
  2. あて布を活用する
  3. スチームの量を調整する
  4. 力加減に気をつける
  5. 乾燥を十分に行う

温度設定は必ず確認する

毛糸の素材によって適切なアイロンの温度は大きく異なります。温度設定を誤ると、せっかくの作品を台なしにしてしまう可能性があるため、必ず使用する毛糸の品質表示やケアラベルを確認しましょう。

不安な場合は、余った毛糸や目立たない部分で必ずテストを行ってください。一般的な温度の目安として、ウール素材は140〜160°C、アクリルは120〜140°C、綿は180〜200°C程度です。

あて布を活用する

デリケートな素材や模様編みの作品には、必ずあて布を使用しましょう。あて布には蒸気を通しつつも熱を適度に分散させる効果があり、編み目をつぶすことなく形を整えることができます。

また、アイロンの重みで編み目が伸びてしまうのを防ぐ効果もあります。白色の薄手の綿布を使用すると、作品の様子を確認しながらアイロンがけができるため特におすすめです。

スチームの量を調整する

素材や編み地の特性に応じて、適切なスチーム量を選ぶことも美しい仕上がりのポイントとなります。

厚手のウール素材には多めのスチームを使用し、繊維をしっかりと蒸らすことで柔らかな風合いを引き出すことができます。一方、薄手の編み物や化繊混紡の場合は、スチームを控えめにして様子を見ながら調整してください。

スチームをかけすぎると編み地が伸びたり、シワになったりする原因となるため、最初は少なめから始めることをおすすめします。一箇所に長く当てすぎないよう、全体的に均一にかけることを心がけましょう。

力加減に気をつける

アイロンがけでは、強く押しつけすぎると編み目が潰れたり、生地が伸びたりして、せっかくの立体感が失われてしまう可能性があります。基本的には、アイロンを軽く浮かせるような感覚で、編み地に優しく触れる程度にすることをおすすめします。

特に模様編みや凹凸のある編み地の場合は、アイロンを滑らせるのではなく、そっと押さえるように当てるのがコツです。力加減の目安としては、アイロンの重さだけで編み地に触れる程度を目安としましょう。

乾燥を十分に行う

毛糸を乾燥させる際は、平らな場所に寝かせて自然乾燥させることをおすすめします。タオルや乾いた布の上に置き、直射日光を避けて風通しの良い場所で乾燥させましょう。

必要に応じて、型紙を使用したり、寸法を測りながら形を整えたりすることで、より美しい仕上がりになります。完全に乾ききるまでは、編み物を引っ張ったり、折り畳んだりしないよう注意が必要です。

まとめ

毛糸に使うスチームアイロンは、適切な温度設定と正しい使用方法を守ることで、手編みならではの温かみを残しながら、美しい仕上がりを実現できます。ウールには浮かしがけ、アクリルには低温処理、綿素材にはしっかりとしたスチーム、混紡素材には配合率に応じた温度管理が必要です。

また、あて布の使用や適切な力加減、十分な乾燥時間の確保など、基本的な注意点を押さえることで失敗を防げるでしょう。ぜひこの記事で紹介した知識を活かし、プロ品質の仕上がりを目指してみてくださいね。

よくある質問

スチームアイロンをかける時間の目安は?

スチームアイロンをかける時間は、編み物の大きさや素材によって異なりますが、一般的な目安として1箇所につき3〜5秒程度です。同じ場所に長時間スチームを当て続けると、毛糸が変形したり風合いが損なわれたりする可能性があります。特にアクリルなど熱に弱い素材の場合は、より短時間で行うことをおすすめします。

立体的な編み物にスチームアイロンを使う場合はどうする?

立体的な編み物にスチームアイロンをかける場合は、一度に全体をアイロンがけするのではなく、パーツごとにわけて作業することが大切です。例えば、前身頃、後ろ身頃、袖と順番に進めていきます。

水通しとスチームアイロン、どちらがいい?

水通しとスチームアイロン、どちらを選ぶかは素材や編み方によって判断します。ウールなどの天然繊維は水通しでも美しく仕上がりますが、時間がかかり、乾燥中の形崩れに注意が必要です。一方、スチームアイロンは短時間で作業が完了し、すぐに形を整えられる利点があります。

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