天竺編みとは?基本の編み方からメリット・デメリットまで解説

編み物のパターンや素材を選ぶとき、天竺編みという言葉を目にした方も多いのではないでしょうか。

天竺編みは、表編みと裏編みを交互に編んでいくもっともシンプルな編み方の1つです。伸縮性が高く、薄手で軽い着心地が特徴で、Tシャツやカットソーなど、普段着に適した生地を作ることができます。

本記事では、天竺編みの基本的な特徴から編み方、メリット・デメリット、そして実際の用途まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。これから編み物を始めたい方や、天竺編みについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご一読ください。

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天竺編みとは?

天竺編みは、編み物の基本的な編み方の1つで、表編みと裏編みを交互に編んでいく手法です。「平編み」や「メリヤス編み」とも呼ばれ、ニット製品の中でもっとも一般的に使用される編み方です。

この編み方の特徴は、表側と裏側で異なる見え方になることです。表側を「表天竺」、裏側を「裏天竺」と呼び、表側には整然と並んだ縦のラインが見える一方、裏側にはウロコのような模様が現れます。

天竺編みとフライス編みの違いは?

天竺編みとフライス編みの違いは、伸縮性にあります。天竺編みは全方向に適度な伸縮性がありますが、フライス編みは特に横方向への伸縮性が強く、身体にフィットしやすいです

フライス編みは襟ぐりや袖口など、体にフィットさせたい部分によく使用されます。また、天竺編みが比較的薄手で軽い着心地なのに対し、フライス編みは畝があることで生地に厚みも出て、保温性も高くなります。

天竺編みの3つの特徴

天竺編みの特徴は、以下の3つです。

  • シンプルで編みやすい
  • 伸縮性が高い生地に仕上がる
  • 薄手で軽い着心地になる

シンプルで編みやすい

天竺編みの特徴は、その編み方のシンプルさにあります。表編みと裏編みを規則正しく交互に編んでいくだけの基本的な編み方で、初心者でも比較的取り組みやすい編み方です。

シングル・ニードルで編むため、編み目の構造が分かりやすく、表面にはV字型、裏面には半円型の編み目が規則正しく並びます。この特徴により、生地の表裏がはっきりと区別でき、縫製時の向きの判断も容易です。

また、機械編みでの生産効率も良く、大量生産に適しているため、アパレル製品の製造コストを抑えることができます。

伸縮性が高い生地に仕上がる

天竺編みは、特に横方向(よこ方向)への伸縮性に優れています。編み目の構造によって生まれる特徴で、着用時の動きに合わせて生地が伸び縮みするため、着心地の良さにつながります

縦方向には比較的伸びにくい特性があるため、着用時の型崩れも少なく、衣服としての形状を保ちやすいでしょう。体の動きを妨げることなく、着脱も容易になるため、Tシャツやカットソーなどのカジュアルウェアに最適な編み方となっています。

薄手で軽い着心地になる

天竺編みは、基本的な編み組織の中でもっとも薄い生地に仕上がる特徴もあります。同じ糸を使用した場合、リブ編みやガーター編みと比較して、生地の厚みが薄くなりやすいでしょう。

薄手の生地は通気性も良好で、汗をかきやすい季節でも快適に着用できます。さらに、生地が薄いため、レイヤードスタイル(重ね着)にも適しており、インナーウェアとしても活用可能です。

ただし、薄手であるため透け感が出やすく、色や素材の選択には要注意です。

天竺編みの基本的な編み方手順

天竺編みは表編みと裏編みを1段ずつ交互に編んでいく基本的な編み方です。まず、作り目をした針を左手に持ち、もう1本の針を右手に持ってからスタートです。

【1段目(表編み)】

  1. 編み糸を左手の人差し指にかけ、針の後ろ側に置きます。
  2. 右針を手前から目に入れ、糸を引っかけて引き出します。
  3. 左針から目を外し、これを繰り返して1段を編みます。

1段目が完成したら、編地を裏返し(ターン)、針を持ち替えましょう。

【2段目(裏編み)】

  1. 編み糸を左手の人差し指にかけ、針の手前に置きます
  2. 右針を奥側から目に入れ、手前の糸を引っかけます
  3. 引き出して左針から目を外し、これを1段分繰り返します

3段目以降は奇数段で表編み、偶数段で裏編みを繰り返します。

最初は目の大きさが不揃いになりやすいですが、練習を重ねることでコツをつかめます。天竺編みはTシャツなどの定番素材として使われる基本的な編み方なので、しっかりマスターしておくと良いでしょう。

天竺編みの4つのメリット

天竺編みの主なメリットは、以下の4つです。

  1. 初心者でも簡単に編める
  2. 生地が薄くて軽い
  3. 伸縮性が良い
  4. 汎用性が高い

初心者でも簡単に編める

天竺編みは、表編みと裏編みという基本的な2つの編み方を交互に繰り返すだけのシンプルな編み方です。編み目の構造が規則的で分かりやすく、初心者でも比較的短時間で習得できます

編み進める際も同じパターンを繰り返すため、リズムよく編み進められるのが特徴です。編み目の大きさがそろいやすく、失敗も少ないため、初めての編み物作品としても最適です。

生地が薄くて軽い

天竺編みは、基本的な編み組織の中でもっとも薄い生地に仕上がります。表編みと裏編みを交互に編むシンプルな構造によるものです。

薄手で軽い生地は、着用時の快適さにつながり、夏場でも快適に着用できます。また、重ね着のインナーとしても使いやすく、かさばることなくスマートなシルエットを作ることができます。

伸縮性が良い

天竺編みの大きな特徴の1つが、横方向への優れた伸縮性です。編み目の構造上、特によこ方向に伸びやすい特性があり、着脱がしやすく体の動きにもフィットします

一方で、たて方向には適度な張りがあるため、着用時の型崩れも防ぎやすいのも利点です。この伸縮性の特徴により、フィット感のある着心地の良い衣服を作ることができます。

汎用性が高い

天竺編みは、その特性を活かしてさまざまな用途に活用できます。Tシャツやカットソー、肌着といった普段着から、パジャマ・寝具・マスクまで幅広い製品に使用されています

また、コットンやポリエステル、シルクなど、さまざまな素材で編むことができ、それぞれの素材の特性を活かした製品作りが可能です。季節を問わず年間を通して使用できる生地であり、アパレル製品の定番素材として広く活用されています。

天竺編みの3つのデメリット

天竺編みは多くのメリットがある一方で、いくつかの注意すべき特徴があります。主なデメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  1. 端が巻きやすい
  2. 伸びすぎて型崩れしやすい
  3. 薄手なため透けやすい

端が巻きやすい

天竺編みのもっとも顕著なデメリットの1つが、端が巻きやすい特徴です。

編み方の構造上、表編みと裏編みの張力(テンション)に差が生じることが原因です。特に生地の切り口や縫い目のない部分で顕著に現れ、端がカールしてしまう現象はどうしても起こります。

巻き癖は衣服の裾やネックライン、袖口などで特に目立ちやすく、見た目の美しさを損なう原因となります。対策としては、バインダー処理や縁かがり、縫い代の工夫などが一般的です。

ただ、完全に防ぐことは難しく、洗濯を重ねることで巻き癖が強くなる傾向もあるため、取り扱いには要注意です。

伸びすぎて型崩れしやすい

天竺編みは横方向への伸縮性が高いですが、この性質は同時にデメリットにもなり得ます。特に着用や洗濯を繰り返すことで、生地が必要以上に伸びてしまい、本来のシルエットが保てなくなります

肩や膝などの負荷がかかりやすい部分では、生地が引き伸ばされてしまい、元の形状に戻りにくいです。また、ハンガーで保管する場合も、自重で徐々に伸びていってしまう可能性があります。

特に薄手の天竺編みや、綿100%などの天然繊維を使用した製品で顕著に。型崩れを防ぐためには、適切な洗濯方法や保管方法を心がけましょう・

薄手なため透けやすい

天竺編みは生地が薄く軽い一方で、透け感という問題も引き起こします。特に明るい色や白色の生地では、下着が透けて見えたり、肌が透けて見えたりすることも多くなります

この透け感は、日光や強い照明の下でより顕著になり、着用時の不快感や見た目の問題につながりかねません。また、汗をかいて生地が湿った状態になると、さらに透け感が増す傾向にあります。

対策としては、裏地を付けたり、適切な下着を選んだりする必要がありますが、それによって本来の軽さや着心地の良さが損なわれる可能性もあるでしょう。

天竺編みの主な用途

天竺編みは、その優れた特性から幅広い衣類に使用されています。主な用途は以下のとおりです。

種類 アイテム
普段着アイテム Tシャツ・カットソー・タンクトップ・ポロシャツ
インナーウェア 肌着・アンダーウェア・スポーツインナー・タンクトップ
アウター類 カーディガン・パーカー・スウェット・薄手のセーター
小物・雑貨 靴下・レギンス・スカーフ・帽子

天竺編みは、素材との組み合わせによって用途が広がります。例えば、綿100%の天竺編みは夏物のTシャツに、ウールを使用した天竺編みは冬物のセーターに活用されるなど、季節を問わずさまざまなアイテムに使用可能です

このように天竺編みは、日常的に着用する衣類から特殊な用途まで、幅広い商品に使用される万能な編み方として知られています。

まとめ

天竺編みは、表編みと裏編みを交互に編むシンプルな編み方で、私たちの身近なTシャツやカットソーに多く使用されている基本的な編み組織です。特徴は、横方向への優れた伸縮性、薄手で軽い着心地、そして初心者でも取り組みやすい編みやすさにあります。

編み物を始める方にとって、天竺編みは最初の一歩として最適です。表編みと裏編みの基本さえマスターすれば、さまざまなアイテム作りに挑戦できます。ただし、伸びやすい特性があるため、洗濯後は形を整えて干す、ハンガー保管を避けるなど、適切なケアを心がけることで長く愛用できます

天竺編みの特徴を理解し、その長所を活かしながら短所に対する対策を知っておくことで、より快適な衣生活を送ることができます。これからの衣服選びや編み物作りに、ぜひこの知識を活用してください。

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