ニッターさんの暮らし「編みもの作家さん -Tororinoさん」

子育てをしているお母さんの悩みとして、『自分の時間を確保できない』『好きな事ができない』という声をよく聞きます。

子供のためにと頑張りすぎてしまい、自分の事は後回し。

忙しい毎日の中で、休むことなく頑張り続けているお母さん。

そんな日々の中で、ストレスを感じている方は多いのではないでしょうか?

今回は、子育てをしながら編み物をメインに活動している、annaさんにお話を伺いました。

annaさんは、Tororinoというブランドで『親子で着られるニット作品』の販売をしながら、YouTubeで編み方動画の公開もしています。

小学2年生の娘さんと、2歳の息子さんを育てながら、自分の時間も確保して編み物を楽しんでいるそう。

 

大好きな編み物でリフレッシュできるから、子育ても楽しめる

昔から『作る』ことが好きだったというannaさん。

社会人になり天然素材を扱う企業に就職したことで、コットン、麻、ウール、カシミヤなどの素材に深く関わる機会があったことをきっかけに、編み物が好きになったのだとか。

子育てをしながら、大好きな編み物をする時間も上手につくって暮らしていると言います。

annaさん:

「今は基本早寝早起きの生活で、息子を寝かしつける時に私も一緒に寝て、早朝に編み物をしています。

だいたい3時くらいに起きて、1人の時間に作業をしていていますね。

YouTubeの動画は、夜中に撮ることが多いです。

土日でだいぶ疲れるので、月曜日はゆっくり過ごしています。

子育てもあるので、自分もサボる日を決めて子供とダラダラしたり、好きな事をしたりしてリフレッシュしています。」

「昔から物作りには興味があっていろんな事をしてきました。

中学の時はミシンに興味を持ちスカートを縫ったり、大学の時はハワイアンキルトやモザイクタイルなど、その時興味を持ったもので何かを作っている感じでしたね。

社会人になって、天然素材をメインに販売しているフランスのブランドに就職して、コットン、麻、ウールやカシミヤに深く関わる機会があったんです。

そのブランドのニットのデザインが凄く可愛くて、ニット好きになりました。」

「社会人の時も編み物をやってみたい気持ちはありましたが時間がなくて…長女の産休中にずっとYouTubeを見ながら編み物の基本、表編みから学びました。

子供が産まれてからも継続してやるようになって、今に至る感じですね。

途中で刺繍にもハマったんですが、小さい子供がいる中で針の管理や片付けが大変で…結局編み物を続ける感じになりました。」

 

お気に入りの場所で編んだ、編み物がある暮らし

お家の中のお気に入りの場所で、編み物をしているというannaさん。

大好きな作業机で編んだり、お気に入りの椅子で編んだりと、気分や状況によって好きな場所に移動するのだそう。

編む時間を楽しみながら編まれた作品たちは、暮らしの中にしっくりと馴染んで、癒してくれる大切なものだと言います。

annaさん:

「作業机が一番好きな場所です。YouTubeの動画もここで撮影しています。

それから、毛糸や道具などを収納している棚もお気に入りですね。

基本、編みたい物が決まってから毛糸を買うタイプなので、そんなに毛糸が沢山たまる事はないですが。(笑)

リラックスして編みたい時は、赤い椅子で編んでいます。

最近購入しましたが背もたれが広くて気に入っているんですよね。

それから、IKEAの収納バックが凄く重宝しています。

中も三角の空洞になっているので、毛糸を収納できるんですよ。

子供の生活リズムでその都度編む場所も変わるので、このIKEAのバック1つ持ち歩けばどこでも編めちゃうので、便利で気に入っています。」

「毎日の暮らしの中で使うものとしては、キッチン周りの小物を編むことが多いですね。

コースターやコーヒーのフィルター入れやアクリルタワシです。

キッチンにいる事が多いので、編み物が少しあるだけで癒されるんですよね。

私は多分、お母さんである前に1人の人間って考えが強くて、『子供のため』『家族のため』って思う事が増えるのが正直辛く感じてしまいます。

編み物をしている時間は、自分の時間が持てて気が落ち着くんですよね。」

 

あたたかなぬくもりが感じられる、手編みのある暮らし

素敵なニット作品を編まれているannaさんは、作品だけでなく、編んでいる時間や、編んだものと一緒に暮らすことも楽しんでいます。

手編みの作品と共に暮らす毎日は、annaさんにとってどのようなものなのでしょうか?

annaさん:

「限られた時間で制作に凄く時間がかかるけど、その分達成感があり、編みたてのニットに袖を通す瞬間が1番好きです。

編み物は何度も解いて編み直せる所や、また違ったデザインに変えることも出来るし、ダメになった糸はフェルト化してみたりと、無限の楽しみ方があると感じているのでとても魅力的ですね。

手編みの子供服は特に思い入れがあります。子供との思い出が沢山つまっているので。

押し入れに小さいサイズの子供服が沢山たまってますが、いつかこれを解いて一着のセーターか何かに仕上げたいと思っていますよ。」

「最近購入した糸は、And woolさんの極太毛糸です。

ざっくりしたニットを編みたいと思ったので、購入しました。

毎日眺めながらニヤニヤしていますよ。(笑)

最近は、ニットだけじゃなくて、小物も編んでみたりしています。

ずっとやりたかった、ロングキャビンを極めていきたいと思っているんです。

着るだけじゃなくて、生活の中に手編みがある楽しさを感じているところですね。

ロングキャビンは色の組み合わせや、大きさなど少しのバランスで見た目が変わるので、そこは慎重に拘りを持ってやってます。

そのまま作品を眺めていてもわからないときは鏡に写してみたり、写真に撮って客観的に作品を一度見てみたりして納得のいく仕上がりにしているんですよ。

とにかく何をするにも楽しいですね、編み物は。」

(おわり)