『手編みのある暮らし』と聞いてイメージする風景はさまざま。
人によっては、自然光が差しかかるナチュラル色の家具があるリビングをイメージしたり、暖炉がある北欧風の雰囲気をまとった部屋をイメージしたり、カラフルな毛糸が詰まったタンスがあるスペースをイメージしたり。
皆それぞれの、『自分らしい暮らし』があるように思います。
Akiさんは、『手編みのお店[hus:]』でアンバサダーをされており、Instagramではおしゃれで素敵な暮らしの様子や、暮らしの中で登場する編み物作品を多数投稿されています。
今回は、そんなAkiさんの『手編みがある暮らし』をご紹介していきます。
編み物は、いつも家事の合間に
ご主人と、2人の娘さんと暮らしているというAkiさん。
専業主婦をされているそうで、編み物は日中の家事の合間にすることが多いのだとか。
Akiさん:
「編み物をしたい日は、家のことは午前中に終わらせて、午後の娘たちが帰ってくるまでの間に編んでいます。
今年は娘たち2人が受験生のため、夕方から22時までの間は塾や習い事の送迎があり、夕飯の時間も家族別々です。
『塾のお迎えまでの間』『みんながお風呂に入るのを待つ間』など隙間時間に編むことも多いです。」
そんなAkiさんにとって、編み物の時間とは?
Akiさん:
「心が穏やかでいられる、ゆとりの時間かな…と思っています。
私はモヤモヤした気持ちの時はあまり編む気分になれません。
自分自身の事ではあまり悩まない方だと思います。基本的には『なんとかなる』と思えるタイプです。
でも、子供たちのことは上手くいかなかったり、見守ることしか出来ない事も多く…そんな時は編み物をする気持ちになれません。
編み物が出来ている、ということは心にゆとりがある時だと自分で感じています。元気のバロメーターなのかもしれませんね。」
編みものを始めたきっかけは、海外に住んでいるお友達
Akiさんは、ご主人のお仕事のご都合で、一時期海外に住んでいたとのこと。
冬にはマイナス10度ほどになる寒い地域だったそう。
そんな暮らしの中、Akiさんの編み物生活は始まりました。
Akiさん:
「数年間、海外に住んでいました。寒い冬には子供達と家に引きこもることが多く、少し鬱々としていたような気がします。
そんな時、同じアパートに住んでいるお友達に『毎日何をしているの?』と聞いたら『編み物してるよ』と手編みの物を見せてもらいました。
その時に『えー、自分でこんなの編めるの?すごい!』と感動して教えてもらったことが、編み物を始めたきっかけです。
その時のお友達が『かぎ針編みケース』を編んでプレゼントしてくれました。今も使っている宝物です。」
おうちの編み物スポットを見せてもらいました
実際に、Akiさんが編み物を始めたのは30代になってから。
ご友人に教えてもらった頃はコースターくらいしか編めない状態。コロナ禍にJul knittingゆかこさんの動画を見つけて編み物を再開しました。
そんなAkiさんの『おうちの編み物スポット』を覗かせて頂きました。
Akiさん:
「ダイニングテーブルで編むことが一番多いです。
コーヒーを飲みながら…娘たちとおやつを食べながら…あまり進みはしません(笑)。
でも幸せな時間です。」
「数年前の誕生日、夫に一人用のソファを買ってもらいました。
リビングの編み物スペースになっていて、夜はここで編むことが多いです。『今日は編むぞー!』という時には一番いい場所です。
カリモク60のKチェア。フラノベージュという色がとても気に入っています。」
「子供たちが大きくなり、2階のおもちゃ部屋をフリースペースにしました。
ここで動画を見ながら編むこともあります。」
毛糸いっぱいのコーナー、幸せもいっぱい
毛糸でいっぱいの戸棚。
ところせましと、かわいい毛糸が並んでいる姿は癒されます。これらの毛糸もほんの一部だとか。
Akiさん:
「本の収納棚に毛糸を並べています。
普通の棚より奥行きがないので、奥のものも取りやすいです。」
「作品を編んで、余った毛糸はWECKの瓶やバスケットに入れています。
時々、小学生の娘があやとりや工作に使うこともあります。」
「並べられない毛糸は半透明のボックスに入れて、クローゼットの中へ。積むことが出来て、中身も何が入っているか把握できるので気に入っています。
上段には毛糸、下段には手芸綿やボタンなど手芸用品が入っています。」
暮らしが“映える”手編み作品たち
きなりは2階用、ネイビーは車用、ベージュはリビング用。
家のあちこちにブランケットがあるのだとか。
Akiさん:
「編み物作品の中でも、特にブランケットが好きです。
各部屋に置いてあるので、子供たちも使っています。」
「お花を飾るのも好きなので、コースターやドイリーをフラワーベースに合わせてよく使います。お庭に咲いている花をカットして、家の中に飾るのが夢でした。
お花を育てるのも編み物と似ているかもしれません。コツコツ育てていくところとか…。
でも、自分のキャパシティをオーバーすると枯らしてしまうので3、4鉢まで、と決めています。」
「食器も好きなので、色を合わせてマットを編むことも多いです。
集めている食器の色味に合わせて、毛糸を何にするか考えたり、どのマットを編むか悩んだり…そんな時間も幸せです。」
「カフェなどで編むのは少し苦手なので、自宅のウッドデッキでモバ編み。その時にもよく使います。」
「時々、子供たちとおやつパーティーをします。
アメリカのヤードセールで見つけたアンティークの食器、ヴィンテージ風プレイスマットにぴったり!
大きめなのでダイニングテーブルのセンターによく使います。」
家族のために編み物をすることも
ご家族のためにも、作品を編むこともあるのだそう。
娘さんたちには、特にスマホショルダーや斜めがけバッグを編むことが多いのだとか。
Akiさん:
「複数のカラーで作って、親子で共用して使っています。」
「次女はぬいぐるみが大好き!
細かいパーツを編むのが苦手ですが、編むととても喜んでくれるので嬉しいです。
2つとも次女のリクエストで編みました。」
まだまだ、編みたいものは尽きない!
編み物好きなら誰しも、毛糸を購入する時間が一番わくわくしますよね。
お気に入りの手芸店で買う方も、オンラインショップでゆっくり見て楽しむ方も。
Akiさんにとっても、毛糸を探す時間は特別なようです。
Akiさん:
「毛糸は、husさんやsawadaittoさんなどオンラインで購入する事が多いです。
メーカーさんの毛糸で、実際に触りたい時は近くのショッピングモールにある手芸店(トーカイ、ユザワヤ)に行きます。
これかわいいー!という毛糸や編み物キットに出会うと、心がホクホクします。きっと幸せホルモンが出ているのでしょうね(笑)。
Instagramで皆さんの購入品を見るのも好きで、よく見ています。『この毛糸で何編むのかな?』とか、毛糸の色に悩んだときに投稿を参考にしたりしています。」
「もともと木の温もりのあるインテリアが大好きです。
そこに手作りの作品が加わると暖かい空間になるような気がしています。
クッションカバー、タペストリー、一輪挿しは手編み。ガーランドは100均のフェルトを切って作ったものです。
テーブルももともとはダークブラウンで、この部屋に合わなかったので、白のペンキで塗りました。
家具も編んだ物も、長く大切に使っていきたいと思っています。」
「なぜかピンバッジを飾る場所になってしまっているタペストリー。
タペストリーも色や素材をインテリアに合わせて飾るのが楽しいです。これはウールなので、夏の素材のものもいつか編みたいと思っています。
あと、クッションカバーも増やしたいですし、テーブルランナーも編みたい…!編みたいものは尽きませんね。」
夏に向けて、『かぎ針編みの前後着ワンピース』を
「今は夏に向けて『かぎ針編みの前後着ワンピース』をダイヤコスタファインで編んでいます。夏に間に合うようにコツコツと…!
完成したら次はsawadaittoさんのRufでショールを編みたいと思っています。」
「毛糸はすでに購入しています!とってもかわいい毛糸で、思っていたより柔らかく編むのが楽しみです。
Instagramの投稿をやっていると、『いつもお家が綺麗ですね』とか『写真が素敵』とコメントをいただく事があります。とっても嬉しいですし、やりがいになっています。
でも、実際は洗濯物の山を端に寄せたり、散らかったプリント類を写真に写らないようにしたり…あるあるですかね。
見えないところは散らかっているんですよ(笑)。
編み物歴も短く、技量もないので、編み物の投稿に関しては簡単な小物類が多くなります。
ちょっと歪んだり斜行してしまうことも…。
特に棒針はまだまだ初心者で、紹介しているウールタペストリーも端っこはガタガタなんです(笑)。
こんな私ですが、編み物の時間はとっても楽しい!
完璧じゃなくてもいいんだ、こんな人もいるんだな、って思ってもらえたら嬉しいです。
これからも暮らしに編み物を取り入れて、楽しく穏やかに過ごしていきたいなと思っています。」
(おわり)