こんにちは、hus編集チームの鈴木です。
忙しい日が続くと、知らないうちに気持ちが少しだけ前のめりになってしまうことがあります。
そんなとき、編み針を持って、いつものカフェラテとちょっとしたお菓子を用意して、静かに手を動かす時間は、私にとって欠かせないリセットのひとときです。
結婚して生活が変わったり、親友が遠くへ引っ越したりと、ここ一年ほどで環境が大きく動いたこともあって、今の自分にとって心地いいものってなんだろうと、ふと考えることが増えました。
そんなタイミングで手に取ったのが、「モンテとムームの山並みマフラー」です。
編み地にはやさしい奥行きがあって、どこか落ち着いた雰囲気。
派手さはないのに、目が自然と引き寄せられる不思議な存在感がありました。
これなら気負わず、でもちゃんと好きだと思えるものが編めそう。
そう感じたのが、今回のはじまりです。
編み地に生まれる、さりげない表情

このマフラーの大きな魅力は、引き揃えで生まれる、奥行きのある編み地。
「Monte(モンテ)」と「moom(ムーム)」を合わせて編むことで、のっぺりしない、豊かな表情が生まれます。
編んでいる途中から、少しずつ糸同士がなじんでいく感覚があって、段を重ねるごとにちゃんと形になってきているな、と実感できるのが嬉しかったです。
引き揃えというと難しそうに聞こえますが、糸の相性がとても良いので、意外とすんなり手に馴染みます。
模様編みも、見た目よりずっとシンプル。
山並みのように連なっていく模様が少しずつ広がっていく様子を眺めながら編む時間は、自然と気持ちも落ち着いていくように感じました。
軽やかさと、安心感のあるつけ心地

完成したマフラーを手に取って、まず驚いたのはその軽さ。
見た目はしっかりしているのに、首にかけるとふわっとなじんで、負担を感じません。
ぐるりと巻いたときのボリューム感も絶妙で、首元をやさしく包み込みながら、きゅっと締めつけすぎない安心感があります。
長さがたっぷりあるので、ラフにひと巻きしたり、少しアレンジを加えたりと、その日の服装や気分に合わせて楽しめるのも嬉しいポイントです。
カジュアルなスタイルにも、少しきれいめな装いにも合わせやすく、自然と手が伸びる存在になりそうだなと感じました。
ざくざく編めて、気持ちよく進む工程
使用するのは10/0号のかぎ針。
糸が太めなので、編み目が見やすく、リズムよく編み進められます。
模様編みというと構えてしまいがちですが、基本は同じ流れの繰り返しなので、慣れてくると無心で手を動かせるようになります。
編み方動画が付いているのも心強く、「これで合ってるかな?」と不安になる場面が少ないのも助かりました。

最後に、端の部分にフリンジを編んでいきます。
少し手間はかかりますが、その分完成したときの愛着は格別です。
ちゃんと最後まで作りきった、という達成感が、ぎゅっと詰まった工程でした。
もちっとした質感が頼もしい「モンテ」
ベースとなる糸は、Monte(モンテ)。
編み始めてすぐに感じたのは、手に伝わるもちっとした弾力でした。
スパニッシュメリノ由来のやわらかさがありつつ、編み地がへたりにくく、しっかり形を保ってくれる安心感があります。
糸割れもしにくいので、テンポよく編み進められて、「今はただ編むことに集中したい」という気分のときにもぴったりです。
「Monte」は、スペイン語で「山」という意味。
山のごとく上品で落ち着いた佇まいに、軽さも大きな魅力で、長さのあるマフラーでも重たくなりすぎません。
日常の中で気軽に使える、頼もしい土台になってくれる糸だと感じました。
編み地にニュアンスを添える「ムーム」
もうひとつの糸、moom(ムーム)は、さりげないネップが印象的な紡毛糸。
単体だと繊細な印象ですが、モンテと引き揃えることで、ほどよい存在感を発揮してくれます。
ネップが均一すぎないからこそ、編み地に自然な揺らぎが生まれ、同じ編み方なのに、少しずつ表情が違うという面白さがあります。
洗いにかけることで、ふんわりと糸同士がなじみ、よりやさしい風合いに変化していくのも、この糸ならでは。
ひと手間かける工程も含めて、編むことそのものを楽しみたい人に寄り添ってくれる糸だと感じました。
3種類から選ぶ、色の組み合わせの楽しさ
今回のキットでは、3種類のカラーの組み合わせをご用意しています。


まずはモンテ「きなり」とムーム「オレオ」の組み合わせ。
やわらかくて、少し甘さのある配色で、自然体で使いたい人におすすめです。


次にモンテ「モカ」と ムーム「きなこ」の組み合わせ。
落ち着きの中にあたたかみがあり、装いを選ばない安心感。
さまざまな場面で使いたい方にぴったりのカラーです。


最後にモンテ「グレー」とムーム「ブルーベリー」の組み合わせです。
ほんのりクールですっきりとした印象があり、シンプルな服装のアクセントとしても映えます。
どれも主張しすぎず、でもしっかり個性があって、そのときの気分に合った配色が選べます。
自分の時間にも、誰かを想う時間にも

性別や年齢を問わず使えるデザインなので、自分のための一枚としても、大切な人への贈りものとしても選びやすいマフラーです。
サイズの調整もしやすく、少し短くしたり、幅を変えたりと、編む人の暮らしに合わせてアレンジできるのも嬉しいポイント。
決まりきった完成形がないからこそ、自分なりの一枚を作る楽しさがあります。
お気に入りの飲み物を用意して、静かに編み針を動かす時間。
その積み重ねが、手元に残る一枚になることのよろこびを、改めて感じさせてくれる作品でした。
「モンテとムームの山並みマフラー」と一緒に、編む時間そのものを味わう、そんな贅沢をぜひ楽しんでみてください。
モンテとムームの山並みマフラーはこちら
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