初めて編み物に挑戦する方の中には、「水通しって本当に必要なの?」「せっかく編んだ作品が縮んでしまわないか心配」といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。実は、水通しは編み物の見栄えを良くするだけでなく、着心地や耐久性を高める大切な工程です。
この記事では、毛糸の水通しが必要な理由から具体的な方法、そして注意点まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。これから説明する内容を参考に、大切な作品に最適な仕上げ方法を見つけていきましょう。
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毛糸の水通しって何をすること?
毛糸の水通しとは、編み上がった作品を水やぬるま湯で洗い、仕上げる工程のことです。専門用語では「ソーピング」や「縮絨(しゅくじゅう)」とも呼ばれ、ニット製品の最終工程となります。
主に、編み物中についた手の汗や自然な汚れを、洗い落とすのが目的です。編み目が整い、形も安定するため、ぜひ実践しましょう。
毛糸の水通しが必要な4つの理由
水通しを行う理由は、以下の4つです。
- 編み目を整えて見栄えをよくする
- 糸の油分や汚れを落とす
- 縮みを安定させる
- 毛糸本来の風合いを出す
編み目を整えて見栄えをよくする
水通しは、この編み目の凸凹を整える効果があります。水に浸すことで毛糸が適度にリラックスし、編み目が均一になっていくためです。
編み進めるうちに糸のテンション(張り具合)が変わってしまった部分も、水通しによって自然と馴染んでいきます。また、折り目がついてしまった部分も、水通し後に形を整えて乾燥させることで、きれいに仕上がるでしょう。
糸の油分や汚れを落とす
水通しをすることで、不要な油分や汚れを洗い流すことも行われている理由の1つです。毛糸には製造過程で付着した油分や、編んでいる最中についた手の汚れが含まれるためです。
油分や汚れを放置すると、着用時に肌トラブルの原因になることも十分に想定できます。汚れが残っていると時間の経過とともに変色や臭いの原因にもなるため、清潔できれいな仕上がりを目指すための工程でもあるのです。
縮みを安定させる
毛糸製品は使用や洗濯によって縮むことがありますが、水通しはこの縮みを事前に安定させる効果があります。特にウールなどの天然素材は、最初の水通しでもっとも縮みが出やすいことからぜひ試したい素材です。
また、水通し後のサイズを確認することで、作品が意図したサイズに仕上がっているかも確認できます。もし予想以上に縮んでしまった場合は、乾燥時に優しく引き伸ばして調整することも可能です。
毛糸本来の風合いを出す
水通しは、毛糸本来の風合いを引き出す工程としての役割も担っています。例えば、ウールやアルパカなどを水通しによって柔らかく、ふんわりとした質感にするといった具合です。
水通しは毛糸の繊維をほぐす効果もあり、これによって毛羽立ちが整い、より上質な風合いが生まれます。染料も安定し、色合いがより鮮やかになることもあるでしょう。
毛糸の水通しの基本的な手順
ここからは、水通しの手順を以下の3つのステップに分けて紹介します。
- 用意するもの
- 水通しの手順
- 乾燥方法
用意するもの
- 洗面器またはバケツ
- 30度程度のぬるま湯
- 中性洗剤
- 大判バスタオル
- 平干しネット
- スチームアイロン
- 洗濯ネット
- ピンまたはブロッキングマット(必要に応じて)
洗剤は、通常の衣類用洗剤は毛糸を傷めてしまうため、毛糸用の中性洗剤を選びましょう。バスタオルは水分をしっかり吸収できる新しめのものを用意し、平干しネットは編み物のサイズに合わせて選ぶのがおすすめです。
水通しの手順
毛糸の水通しの手順は、以下のとおりです。
- スチームアイロンで全体を軽く蒸す
- 30度のぬるま湯に40分~1時間つけ置く
- 新しいぬるま湯で中性洗剤を使って優しく押し洗い
- きれいな水で洗剤が完全に抜けるまですすぐ
- 必要に応じて柔軟剤を使用
- 洗濯ネットに入れて軽く脱水
押し洗いの際は、強くこすったり揉んだりせず、やさしく押すように洗います。水温が高すぎると縮みの原因となるため、ぬるま湯を使用してください。
すすぎは洗剤が完全に抜けるまで丁寧に行い、最後の脱水は短時間で済ませることがコツです。
乾燥方法
まず、水気を切った編み物を大判バスタオルで挟み、優しく押して水分を吸い取ります。その後、平干しネットの上に形を整え、編み物本来の寸法になるよう、必要に応じてピンで固定しましょう。
乾燥場所は風通しの良い日陰を探し、エアコンの風が直接当たる場所を避けてください。乾燥中はときどき形を確認し、必要があれば軽く整え、完全に乾いたら最後にスチームアイロンを軽くかけて仕上げて完成です。
毛糸の水通しを行うときの注意点
水通しを行う方は、以下の4つの基本的な注意点を必ず守るようにしましょう。
- 水温は30度以下に保つ
- 優しく押し洗いする
- タオルで水気を取る
- 形を整えて乾かす
水温は30度以下に保つ
毛糸を30度以上の温水で水通しすると、繊維が縮んでしまったり、フェルト化が進んでしまったりする危険があります。
水温計がない場合は、手で触って「少し冷たい」と感じる程度が目安です。また、途中で水温が上がってきた場合は、適宜水を足して温度を調整しましょう。
優しく押し洗いする
毛糸製品の水通しでは、激しい揉み洗いは厳禁です。強く揉んだり、こすったりすると、繊維が絡まってフェルト化したり、編み目が歪んでしまったりする原因となります。
代わりに、両手の平で優しく押すように洗います。水に浸した状態で、上から優しく押さえては手を離す動作を3〜4回程度繰り返す程度にしましょう。
タオルで水気を取る
毛糸を絞ると、編み目を歪ませる原因となるため、タオルを使って優しく水気を取ってください。
水分が多い場合は、タオルを取り替えて2〜3回繰り返します。この方法なら、編み目を崩すことなく、効率的に水気を取ることができます。
形を整えて乾かす
水通しの乾燥では、直射日光は避け、風通しの良い日陰で形を整えながらゆっくりと乾かしましょう。肩幅や袖丈などの寸法を測りながら、優しく形を整えておくのがコツです。
必要に応じて、ピンを使って形を固定することもできます。乾燥中はときどき形を確認し、歪みがある場合は優しく整えつつ、完全に乾くまでは動かさないようにしましょう。
まとめ
毛糸の水通しは、製造時の油分や編み物中についた汚れを落とし、編み目を整え、毛糸本来の風合いを引き出す効果があります。また、事前に縮みを安定させることで、その後の使用時の予期せぬ変形を防ぐこともできます。
せっかく時間をかけて編んだ作品だからこそ、最後の仕上げまで丁寧に行うことで、長く愛用できる素敵な一着に仕上がります。この記事で紹介した基本的な手順と注意点を参考に、自信を持って水通しに取り組んでみてください。
よくある質問
毛糸の水通しは必要ですか?
毛糸の水通しは、基本的にはすべての毛糸に必要な工程です。特に新品の毛糸には、製造過程で付着した染料や油分が残っているため、洗い流す必要があります。迷った場合は、毛糸の説明書きや購入店舗に確認することをおすすめします。
毛糸の水通しにかかる時間の目安は?
毛糸の水通しは、全体で約2時間程度を見込んでおく必要があります。洗ってから形を整えるまでに約30分、乾燥までに1時間ほどを見積もっておくと良いでしょう。ただし、梅雨時期や湿度の高い日は、より長い乾燥時間が必要になることもあります。
毛糸は洗濯機で水通しできますか?
洗濯機での水通しは推奨されません。毛糸は繊細な素材のため、洗濯機の強い水流で傷んだり、絡まったりすることが多いためです。なお、場合によっては水気を切る際の脱水工程のみ、洗濯ネットに入れて短時間(1分程度)の脱水を行うこともできます。
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